きがつくと
どうでもいいことで
堕ちていった気がする




***

自分は沙汰とよばれていた
沙汰、と

しかし名前は次第に忘れていった
そのころ呼ばれていた
様付きの呼び方が
やがて己にかわっていった




***

自分が、




***

きえたものを
かえるように
沙汰は道をしいていった
人に道を
強いていった

***

一人の、腫れた女が来た




***

なにをはなしたかは
おぼえていない

***




なんか、つらそうですね

***

なにがしかと
なにがしかと
しいたみち

ひとをおもう
道はない

***






沙汰は初めて
自分が
思いやられたことに
気が付いた

***





ようやく人に戻れた気がした

ようやく

戻れた気がした
2017-09-28 12:54:54