ほんのわずかな
雨が降っていた

とても綺麗な
金色のひの光りに
雨がまばゆいほどにまたたく

***

山の奥で
お会いした人が
こんな話を聞かせてくれた



人の道を歩みますなら
これから ずっと 悩みますから
いまから これを
覚えておきなさい

***



ある日 あの時
あなたは 人の世を
醜悪のかたまりと思い
敵意のかたまりになる

攻撃的な態度をもって
傷つけることで
身を守ろうとした

傷つけられないように

これがあなたの弱さ

***

ある日 あの時
あなたは 人の世を
清らかだと思いこみたくて
すべてを信じきった

まるっきり疑わずに
ないことにした 醜さを

悪意をみないことで
身を守ろうとした

傷つかないように

これがあなたの弱さ

清濁あわせもつのが 
人の世

問うものは 問われる

***



「心を」

***

雨 さんさんと
しずかにしずかに
ふりそそぐ
あたたかな ひの光

どこかで ちいさな 蛙のこえ

***

「無いものは、悩みもない」

人ばかり 責め
人ばかり なじり

人のためだといいながら
人を傷つけます

また 自分の行いに
傷ついた人を見て
罪の意識を感じないように
たくさんの いいわけをします

すべての情報も ことばも 考え方も
すべて すべて
自分の罪を消すために 使います

人の欠点ばかりを見つけ
人のみにくさをののしり

心がけろと 説教ばかりを
話すでしょう

自分の心を背負わない

これが ないものです

***



***

「あるものは、悩む」

自分をふりかえりながら
自分を恥じながら
自分のために
心をかけます

ゆえに ひとつひとつ
しんどい思いもされますが
自分が抱える欠点に
幾度も 幾度も
気がつくことが 出来るでしょう

自分の心を背負う

これが あるものです

しかし 芯のない心は
くらべて人とみやすく
人か 自分か
責めて 責めて ふと濁りとなる

あるいは
人からの あざけりに
あるいは
あまりの 生き辛さに

ふと 折れて あなたは
あなたの善良を

わらいはじめる

***



***

「心に芯を」

***

かえりみなさい 常に
お前が何をしてきたのかを

知りなさい 常に
お前が何をしているのかを

お前の醜さを
かりみなさい

自分をふり返り 行いを恥じ
自分のためだと知りながら
心がけるなら

自分の欠点と にごりに
何度も 何度も
気がついて

醜悪をこえつづけることが
出来るでしょう

「あなたが なにものに
なるのかは
あなたが 何に ふと
ほほえむかで わかる」

「あたたかな おなかのぬくもりが
愛であるから
あなたの愛をもてたなら
それに よりそいなさい」

濁流であれ 清流であれ
流されず
あなたを見つけて
ひたすらに


湧き上がる あなたの中の
濁りを捨てて

あなたの中の
あたたかな 人の心を
愛しなさい

***

あなたの強さ




清濁の流れを すべて
お前のものとしなさい