ひとを
だまし続ける
魔を前に
一人の神が
云いました




「善人は騙してはならない
善人は貶めてはならない
善人は厄災にまみれさせてはならない」


声は神呪となって
くるくる流れる

***

「お言葉ですが
なぜそうせねばならないのですか」




ひとりのものが
問いかけました

神は伝えました

「善につとめるものは
滅多に産まれないからだ
また、滅多に産まれないのに
世をすすませ
より、命が善く過ごせるように
していくからだ」

魔たちは 
これに従いました

***

ピラミッドっぽいですね




ごく少数の善につとめるひと
わりといるわりと善なひと
ふつうのひと
わりと悪な人
悪に尽くす人……

***

神は
悪い心持ちを、守れません
どんなに手を差し伸べても
心がつながらないんですよ




***

森羅万象




祟りもまた
その巡りの中のひとつといいます

***

怒られてやめるようなら
祟られませんよ

轍を踏んでようやくわかる
己の背中……