白い陶器の破片に寄り添い
夫人が、歌を歌っている


遠い、遠い、遠いくにから
陶器にのせられて
ゆらりゆらり
海を渡り島を渡り
この国の長に
ささげられました

長は優しく
慈しんでくださった
白い陶器を
心深い母のようだと
慈しんでくださった

彼が天に召されたとき
あまりの悲しさに
胸がひびわれ
私ののりもの
私の陶器も
ひびわれました

あまたもの年月が
私を癒し
空の心を癒された


白い陶器も
白い夫人も
空の光をうけ
ひかり、ひかりと
瞬いている