梅雨に入ってから、

ずっと、

ずっと、

雨が、降っている。


僕は鶴を折り、
あの人を待ちわびている。

鶴の折り紙は
湿気を吸って少しだけ滑る。


たまに過去がよみがえって、さぁ、
胸が軋むんだ。




夏が来るたびに、
鳴き声を想い出す。

涙に似た、鳴き声を。






















だからどうか傍にいて



いつか、時が、解決してくれる。





更新記録

2023.08.02
Flash版をそのまま動くようにしたものを公開

2005.06.25
Flash絵本として生まれ変わり。

2005.06.18
完成

2005.06.17
企画ページアップ。近日完成予定。


物語

夏が繰り返す。
一つずつ、時が繰り返す。

母との確執を抱いたまま、
家を飛び出した「僕」

母の見せた無関心さに、
狂いそうになるほど
呪いと憎しみを抱いた。

それでも、憎んでいるはずなのに、
嫌っていたはずなのに、
「母」の愛を一身に受けた
「彼」を、拒めない。

「彼」が訪れるたび、セミが鳴く。

彼につけた傷跡を、何度も何度も、
「僕」は悔やみ―…

鶴を折りながら。
母の教えてくれた、鶴を折りながら、
時が流れていく…。

ヒューマニズムと、喜劇。

孤独な短編えほん。




登場人物


「僕」

母を憎みながら、
愛を求めながら、
生に疑問を感じる孤独な青年。
20歳。

アルバイトをしながら、
生計を立てている。

「不良」と呼ばれ、
不良の姿をとりながら、
それに抵抗したいと想っている。




「彼」

いつでも笑顔を絶やさない、
「僕」に唯一優しさを見せる人。
「僕」に惹かれているらしいが、
ある程度の距離を保ってくれる。
「母」に愛されていることを、
少し罪悪に想っている。





「母」

「僕」が嫌い?と訊ねた時、
無関心さを剥き出しにした人。
「彼」を溺愛する。
近所では評判の「優しい人」で、
彼と同じく常に笑顔を絶やさない。
彼女の「恋人」や「両親」は既に他界しており、
保険金とパートのお金で
「彼」と「僕」を育ててくれた。







求めずに、いられない。


人は、孤独だ。









やり方


このFlashは絵本Flashです。
意味の無い羅列のような選択肢を選び、
すすめていく、地味なゲームです。

地味だけれど、簡単だけれど、
少しだけ、しんみりしてください。


イベント画面は
矢印を押すことによって進みます。
イベントを終了したい時は、
☆ボタンを押します。


☆を押した後、簡単な選択肢が出ます。
どちらかを選んでください。
綺麗な音色は「愛がアップ」したしるしです。

エンディングは二種類です。
バッドか、グッドか。


Plaing