また、 泣いていたのか ししめ
土の中に私はいました、 詳しく言えば、土倉の中に。 あのころは、いつも泣いていた気がする。 泣いてはいけないと言われていたので、 声を殺して、涙だけ流していた。 土倉は暗く。湿った苔の匂いがした。 時折夜の中で、獣の鳴く声がした。 私は、土の中にいた。
毎夜、出逢う看守 彼女を閉じ込めている「館さま」 ここから出たいがために ししめは 穴を掘る
もう、にげないでほしい ししめ