私はとてものどが渇いていた。 線路の脇に自動販売機があったので 100円を入れてコーラのボタンを押した。 とにかくのどが渇いていた。 がちゃんと音がして 出てきたのはコーラではなく、 「稲垣五郎へ」と書かれた小包だった。 稲垣五郎って誰だっけ?と考えている私の横から 変なおばさんが顔を出して 「あらぁ、その人アイドルよぉ、 いいわねぇ」と言った。 私はやっぱり誰だっけ?と考えながら 小包の封を持っていたハサミで開けた。 中から「打撲シート」と書かれた湿布が出てきた。 それを見て私は「あ、あけちゃった」と後悔した。 おばさんが妹になっていたので、 「あけてもいいから返してきなよ、」と押しつけた。