やもり

でんでん太鼓のしたに
小さな子がないとって
赤いべべで
ないとって
かけより、だきしめたら
わらう
どうした、いうたら
なんもいわんから
あんたのプライドだ
母ちゃんにも
とおちゃんにも
言わん、約束して
だきしめた

それで、赤い花買ってやって
金色の鈴買ってやって
わらいな
あんたの心
守ってやるよ

金色の鈴
からからなって彼女はわらう
いっちょまえなんに
視野がせまい
ガキは難儀だとおもう


家までおくったら
やもりが顔出して
挨拶したから
ああ、良かったな
やもりは
夜守り
家守り
あんた
守られる、そういったら
嘘っぱち
守ってなんか
くれん

そういう

戦うのは
あんたじゃもん、
守りは
守りだ

言いながら
しびしび
どうしようもない
胸苦しさで
もう一度、だきしめた

なして、だきしめる

そういうから
私が、だきしめたくて
たまらんのだよ
そういった

こみあがる
きゅきゅうとした
胸は塞がれたような
いきくるしさ

ああ、そうか
わかっとるよ
なおるときは
苦しんだよな

やもり
やもり
夜を、まもれ
やもり
やもり
夜、まもれ
2011-12-27 22:18:38