鈴虫

りいりいって
季節はずれの鈴虫が鳴いていて
お月様にかげがかかって
こまかい雨が
ふっていた

それで、お師匠さまは
あのねえ、っていったの
あのねえ、あのねえ
守れることは、すくないからねえ
すくないけどねえ
それでも間違えることも おおいから

今はとっても 間違えやすいから
自分を傷つけない、人を傷つけない
それはねぇ、守りにくいけど
まもってね

余裕があったら
愛してね 余裕があったら
おもいやってね

それでいいのよ

なんだか泣いてるんだか
雨なんだか
ほっぺがつめたくて かなしい

そしたらねえ

あのねえ、あのねえ
死にたい間はね
しなないだけでねぇ
がんばっててね
それでね
死なないだけで
ほんとうはずっと 進んでいるから

あのね

あのね

お師匠様まで、泣いてるんだもんね

だいじょうぶよ
それでもう、あなた
必死なんだから
2011-02-28 18:36:36