ちょうちょ

闇に紫のちょうちょ
とんでいた
わずかに ひかりながら
とんでいた

私は、あなたといて
あなたは、川の水を
たまにもてあそんでいた

ぱしゃん ぱ ぱしゃん

川の水は白く
星明かりに、わずかにひかり
どうどうだうだう流れている

空には 沢山の星が
ちかちかときらめいて
岸には 沢山の花が咲き誇り
そのどれもが白い光りをやどし
やわらかな匂いを
風に満たしていた

私はあなたといて
あなたが いるから
幸せだった

ふ と
口から歌がもれて
しらない歌を
くちずさんで
あなたも
一緒に 歌ってくれた

優しい歌
むかし どこかで
聞いた歌

君は まだ
わからないかも
しれないけれど
大丈夫 だから

私は わらって
首をふる

なりたい私は
沢山あって
まだまだ
どうにか
もがきたい

努力もしすぎりゃ
からまわる
大丈夫って
わかりなさい

大丈夫だから

空には 星が
沢山沢山またたいて
ちかりん ちかりん
ささやくように
ひかり つづけて
ちかりん ちかりん

願望は 埋もれながらも
胸中に ふっとひかり
私は わかる

望みは
望みではなく
誓いなんだ

願いは
私への誓い

君は 笑う
私は 笑う

川は流れ
だうだうと 流れ
たまに 川魚が
ぱしゃんと はねた
2011-11-26 00:01:26