さくらつき

桜色の月は
うっすらと、たちのぼり
青めいた月光を
ただ、こちらに
なげかけていた
そしたら
くもが、すべてを
つつんでしまう

 さむいひは
 すこし、かなしいですね

そういえば
ただ、笑い声だけ
ひびき
あなたのすがたは
なんにも
みえない

あたりは闇で
だれも いないように
おもえる

ただ
水の流れる音だけが
響いている

 ありがたいです

そういうと
わらうような
なくような こえ
それで
舟の先に
すこし、星が
ちらちら光るようで
さむい

 星かと思えば
 わたしの といきが
 ただ さむさに
 しろく いろづいている

手を、すりあわせれば
手のなかに
はさまった
なにかがみえ
それは、赤い椿の花


 冬のことは 花が わかっている

 春のことは 虫が わかっている


冬のことは 花が わかっている

 ついえ 咲き ついえ 咲き

 咲いて ついえ 咲いて ついえ

 さいて ついえ さいて ついえて

冬の ことは 花が わかっている

 つきがみえるまで
 まだ、間がありそうで
 すこし、なみだぐむ
2012-01-08 19:11:43