なんな

イチゴつみにきたら
柔らかい金色の光りに
あたたかな草花は
あおみどり
時折 ぱらぱらと
小雨がふる

―― 私 なんなんなん?

―― なんなんなん

君は笑う

イチゴは甘いにおい
軽い雨にうたれ
たのしげに
笑っている

―― 欲はな
根がなくて
願望ばかりな
人に
世界に
願望ばかりでな
頭ばかりに
やどるから
上滑り 上滑り
欲は
消えるんよ

―― 心はな
根があるから
変わっても
ゆらがんの

咲き方が変わるだけ

二つ みっつ
つみながら
イチゴ 笑うように
赤くぴかぴかして
甘いかおり

空をみあげたら
あまい金色の風が
うすい水色に
ながれ ながれ

不確かなもの
空もあいまいなんな
不確かなもの
うつろいながら
全てがかわる

変わらないのは
変わる心

笑うようになれた

―― 幸せなんな

そういったら
君は笑った
2011-11-24 10:50:48