ぼうぜんとした、ねつのある月がおち
たいようは半欠けになって、それをみていた
かあさんと、とおさんと、ぼくでひろった
月をひろった
湖の、熱い熱い、とろけたたいよう
月をしのんで泣いていた
夜のなかに、ぼうぜんとした、ねつがのぼった
たいようの熱だった

つきがこいしい
つきがこいしい

湖は、灼熱の夢をさかせ、
たいようのこえをひびかせる
とろけた月はバターみたい
とおさんと、かあさんと、ぼくは泣いた
たいようの、こえをないた

つきがこいしい
つきがこいしい

月はただただとろけたままで
あいをかたる
たいようへの
あいをかたる

(シリーズ: イド )
2005-07-09 00:00:00