確証がないままに
服を着、化粧をし、笑った

この世の美学など
到底知る事が出来ない。
彼らの言うような
きちんとした人にもなれない
きちんとしたことも出来ない。

彼らの衣服は人に合わせる為のものだ。
見ていて辛い私は無様だろう。

分かるか、ただの家畜が。
彼らの方がずっとましな人間なのだ。
傷に甘えて嘆いているただの家畜が。

何かが出来ると手のひらを過信し、
認められない世界が悪いのだと
ほざく家畜が。

戦う為に合わせられる、
彼らの方が、人間なのだ。



笑う私に、泣き顔ですがりついた
謝る私に、侮蔑ですがりついた
そこに居れば安堵はできただろう
求められるのが幸せなら。


愛してくれるから付き合うのならば
私は恋人などいらない

好いてくれるから付き合うのならば
私は友達などいらない

安堵できるからするのなら
愛されてたいからするのなら
セックスなどいらない

自分の居場所が出来るだけで
なんの疑問も持たずそこに居るなら
私はその場など要らない。


許される為に描くのなら、絵など描かない。
許される為の生き様など、私はやりたくない。





逃げる道など、

この世にない。


ここにあるのはただプライドが高い驕り高ぶった家畜のものだ。
私を認めるのだとするのなら、君はただ私に許して欲しいだけなのだ。



怒られない為に、言葉を吐くなら、
褒められる為に、言葉を吐くなら、
傷つけられたから怒るなら、
組み敷きたいから教えるのなら
自分のために人を哂い貶めるなら
それはお前の言葉ではない。


絶望はひとつだ、
この世に確かなものがない。

だから確かに生きれない。



希望はひとつだ、
この世に不動のものがない。





好かれたくて何かを言うなら、私は貴方のひとではない。


保身のために生きるなら、
そんな貴方を侮蔑する。
(シリーズ: イド )
2006-07-17 14:47:06