花の星
>>
まんが・絵本
>
Voice
> うたう月
月がりーりーと
啼いている夜だった
「いい月ですね」
***
月の、音は
りゅうりゅうと
ふるえる音
今日 笑って
明日 ないて
あさって ほえる
まるで 光が
おちてくる
美しい星の ささやかな
またたき
ちか ちか ちか ちか
月は 静かに しずかに
見守っている
***
ふ、と
気がついたんだ
私はこの世の中を つくりあげる
ひとのなかの ひとつ
すべてではないから
すべてはしらない
***
月が歌うよ
愛の歌
あれは 愛の歌
太陽の陰に隠れて
つきはシットしているんだなんて
昔は思っていた
でも 気がついた
違うんだ
月は いつも
愛の歌を ただ
たまに歌って
たまに見守って
太陽も 月もこの星も
みな 愛の歌を奏でている
すべて たがいに
愛の歌を
ささやいている
恵みへの 感謝と
互いへの 祈りを
***
私が、たしかに
この世をつくる
ひとというなの ひとりであって
それ以上も 以下もなくて
すべてにはなれないことを
知ってしまった夜
私が たしかに
たんなる 人の中のひとりなんだと
すべてことなる人間のなかの
ことなるひとりなんだと
気がついた朝
***
私の都合のいいように この世界と
かかわりたいと のぞんでいたから
つらかったんだ
どうしよう なんて
思い通りにしたい なんて
どうにもできないことを
思い通りには
できないことを
かんがえても
できないことを
私ではないことを
***
なにもかも
私ではない あなたは
私の知らないところで
きっとけなげに 毎日を過ごしている
あなたではない 私は
昨日笑って 今日ないて 明日 ほえる
毎日
流れているから
わたしが できることは
***
貫くだけなんだ
貫くだけなんだ
***
あなたは 私ではない
私は あなたではない
それぞれ 流れの中で
ひっしに けなげに
信じている 道を
歩めばいい
ひとりであることを おそれないで
コントロールできない
流れの中で
できることは いつも
私を
奏でること
***
この世の森の中 鬱蒼と茂った
すべての
森羅万象の ただひとつにすぎない私は
私の愛を 私になりに
にないつづける
つきが 月であるように
たいようが 太陽であるように
わたしが 私であるように
すべて ひとりぶんの
ひとり ひとり
Series :
LoveSong
... 前頁「割れる夕陽」へ
... 次頁「魚眼の色眼鏡」へ
2011-05-16
16:35:16
花の星
>>
まんが・絵本
>
Voice
> うたう月
Copyright © by mogiha(
https://ahito.com/
) All Rights Reserved.
啼いている夜だった
「いい月ですね」
***
月の、音は
りゅうりゅうと
ふるえる音
今日 笑って
明日 ないて
あさって ほえる
まるで 光が
おちてくる
美しい星の ささやかな
またたき
ちか ちか ちか ちか
月は 静かに しずかに
見守っている
***
ふ、と
気がついたんだ
私はこの世の中を つくりあげる
ひとのなかの ひとつ
すべてではないから
すべてはしらない
***
月が歌うよ
愛の歌
あれは 愛の歌
太陽の陰に隠れて
つきはシットしているんだなんて
昔は思っていた
でも 気がついた
違うんだ
月は いつも
愛の歌を ただ
たまに歌って
たまに見守って
太陽も 月もこの星も
みな 愛の歌を奏でている
すべて たがいに
愛の歌を
ささやいている
恵みへの 感謝と
互いへの 祈りを
***
私が、たしかに
この世をつくる
ひとというなの ひとりであって
それ以上も 以下もなくて
すべてにはなれないことを
知ってしまった夜
私が たしかに
たんなる 人の中のひとりなんだと
すべてことなる人間のなかの
ことなるひとりなんだと
気がついた朝
***
私の都合のいいように この世界と
かかわりたいと のぞんでいたから
つらかったんだ
どうしよう なんて
思い通りにしたい なんて
どうにもできないことを
思い通りには
できないことを
かんがえても
できないことを
私ではないことを
***
なにもかも
私ではない あなたは
私の知らないところで
きっとけなげに 毎日を過ごしている
あなたではない 私は
昨日笑って 今日ないて 明日 ほえる
毎日
流れているから
わたしが できることは
***
貫くだけなんだ
貫くだけなんだ
***
あなたは 私ではない
私は あなたではない
それぞれ 流れの中で
ひっしに けなげに
信じている 道を
歩めばいい
ひとりであることを おそれないで
コントロールできない
流れの中で
できることは いつも
私を
奏でること
***
この世の森の中 鬱蒼と茂った
すべての
森羅万象の ただひとつにすぎない私は
私の愛を 私になりに
にないつづける
つきが 月であるように
たいようが 太陽であるように
わたしが 私であるように
すべて ひとりぶんの
ひとり ひとり