花の星
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まんが・絵本
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Voice
> ミンナ
じぶんさがし なんて
かんたんじゃない
自覚すれば いいだけだよ
いま どうして なぜ
人への りゆう いいぶん 必要ない
わたしは なにを どうして しているの
本音が いちばん みたくないんだよ
***
そりゃ、最初は
びっくりしたし
とまどったわ
金色の角がはえてきたのは
ずっと昔
それはまるでたけのこのように
頭ににょきにょきはえた
指先で触れるといたがゆかった
そうか、これも皮膚のひとつか
まだ固まっていないから痛いんだろうな
そう、思った
***
これが
たけのこだったら
よかったのに
食べられたしさ
石を集めて
今日の食卓を
飾ろうと思います
***
「ねえ、いいものあった?」
この人はミンナさんです
「もうすこしあつめたら、帰ろう」
***
占い師です
街角で
占いをしていました
わたしもよく、通っていました
あのころ
:
いつも仕事で
怒られては、笑っていた
だってそうでしょう
泣いたら、迷惑だし
怒りかえしても
よくないわ
隣にすわっていた
ぎりぎりさんが
ある日こなくなってね
おこられすぎて
おくさんを たたくように
なったんだって
誰も、わらいながら
はなしていた
たたきながら 泣いているんだって
そう、ああ、いよいよ
彼のゆくえを
わたしは しらない
:
手のひらを見せて帰る日に
ミンナさんは
わたしにいいました
うん、今の彼とは
うまくいくわ
だいぶ良い相性よ
でもあなた、恋愛にむいてないわね
いまはね、うふふ
じゃあ、はい、お代金
そういった、そのあとで
***
***
ひとを指導したり
支配したりして
愉しむ奴もいるけれど
あたし、指導とか
されて欲しくないんだよね
***
***
***
ミンナさん
いつか
世界が、もっとずっと
平和になって
だれもが
傷つけあわないと
いいのに
―― あんただって
傷つけてきたのに
なにを いっているの
傷つける人は どうして
傷つけるの
―― 人を好きになることは
人に 傷つくこと でしょう
***
***
***
たりないのは ひとの すがたなの
:
なぜ それをするの
いま なにをしているの
どうして あなたは そうおもっているの
:
人から欲しいものを
たくさん その手に
人を苦しめてきた
***
傷ついたことなど 忘れた
傷つけたことは 忘れない
忘れてしまうから、忘れない
***
胸をさぐれ
***
ひとへの 思いは
盾でも 剣でもない
あなたへの 鏡だよ
***
***
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2012-02-17
18:24:36
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かんたんじゃない
自覚すれば いいだけだよ
いま どうして なぜ
人への りゆう いいぶん 必要ない
わたしは なにを どうして しているの
本音が いちばん みたくないんだよ
***
そりゃ、最初は
びっくりしたし
とまどったわ
金色の角がはえてきたのは
ずっと昔
それはまるでたけのこのように
頭ににょきにょきはえた
指先で触れるといたがゆかった
そうか、これも皮膚のひとつか
まだ固まっていないから痛いんだろうな
そう、思った
***
これが
たけのこだったら
よかったのに
食べられたしさ
石を集めて
今日の食卓を
飾ろうと思います
***
「ねえ、いいものあった?」
この人はミンナさんです
「もうすこしあつめたら、帰ろう」
***
占い師です
街角で
占いをしていました
わたしもよく、通っていました
あのころ
:
いつも仕事で
怒られては、笑っていた
だってそうでしょう
泣いたら、迷惑だし
怒りかえしても
よくないわ
隣にすわっていた
ぎりぎりさんが
ある日こなくなってね
おこられすぎて
おくさんを たたくように
なったんだって
誰も、わらいながら
はなしていた
たたきながら 泣いているんだって
そう、ああ、いよいよ
彼のゆくえを
わたしは しらない
:
手のひらを見せて帰る日に
ミンナさんは
わたしにいいました
うん、今の彼とは
うまくいくわ
だいぶ良い相性よ
でもあなた、恋愛にむいてないわね
いまはね、うふふ
じゃあ、はい、お代金
そういった、そのあとで
***
***
ひとを指導したり
支配したりして
愉しむ奴もいるけれど
あたし、指導とか
されて欲しくないんだよね
***
***
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ミンナさん
いつか
世界が、もっとずっと
平和になって
だれもが
傷つけあわないと
いいのに
―― あんただって
傷つけてきたのに
なにを いっているの
傷つける人は どうして
傷つけるの
―― 人を好きになることは
人に 傷つくこと でしょう
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たりないのは ひとの すがたなの
:
なぜ それをするの
いま なにをしているの
どうして あなたは そうおもっているの
:
人から欲しいものを
たくさん その手に
人を苦しめてきた
***
傷ついたことなど 忘れた
傷つけたことは 忘れない
忘れてしまうから、忘れない
***
胸をさぐれ
***
ひとへの 思いは
盾でも 剣でもない
あなたへの 鏡だよ
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***