花の星
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まんが・絵本
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Voice
> やわらかな風
落ちて落ちた先の 汚れ
踏みにじんだ記憶もなしに
踏みにじんで
笑った覚えもなしに
笑っている
:
:
:
嫌われると思ってやったの
嫌われてもいいと、思ってやったの
それとも
あのひとなら
嫌わない
あのひとになら
やってもいい
そう
あまえたの
***
謝罪が たんなる 相手への
許しの 要求
相手が変わることを
求める行為だと
感じたことが
ありますか
***
:
:
やわらかな
暖かい風が吹いています
道道にはたくさんの
あかく腐った木の実が落ち
ふむたびに、くちゅっと
音を立てる
風には
あまい、あたたかな香りがふくまれ
ふくたんびに
金色の金平糖のような
音がたくさんなっています
:
:
:
:
ちいさな手と手をつないで
私たちは歩いていました
おとうとが
ふと、
「どうして
あのひとは
きらわれるの」
そう聞きました
***
:
:
:
たくさんの風が
金色の音を鳴らし
ふきながらながれていく
:
:
:
***
わらうことを
いとわない人が
きずつけることを
いとわない人が
苦しめることを
楽しむ人ひとが
こころのあたりまえを
けがし、こわしながら
落ちていく
わたしにめぐみが
たりないと
かれらはくちぐちにいい
りゆうと
いいわけばかりを
くりかえし
わかってくれないと
そう嘆くのです
***
:
:
:
:
:
:
:
つけられた背中の
やけどの痕を
見せてくれた人の
なみだを
覚えています
***
:
:
:
:
:
ごう
ごうごう
ごう
ごうごう
:
:
:
***
かろんじて
わらっている
あいつらが
きらわれて
なげいている
ふみにじり
くりかえし
苦痛与え
みずからの
虚楽のみ
おいもとめた
あいつらが
きらわれて
なげいている
わらい
わらい
うとまれて
軽蔑が
嫌悪を呼んで
侮蔑が
人の顔を
ゆがませる
心の重荷を
ひとに、ひとにと
かせながら
己ばかりの
いたみ いたみと
みにくさを
さけんでる
:
:
:
:
***
風が
たくさん流れ
たくさんのあおい雲が
影を落としながら
私たちの上を
ぐう、ぐうぐううと
流れていきます
:
:
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... 次頁「とりの舟」へ
2012-08-07
21:46:23
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踏みにじんだ記憶もなしに
踏みにじんで
笑った覚えもなしに
笑っている
:
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嫌われると思ってやったの
嫌われてもいいと、思ってやったの
それとも
あのひとなら
嫌わない
あのひとになら
やってもいい
そう
あまえたの
***
謝罪が たんなる 相手への
許しの 要求
相手が変わることを
求める行為だと
感じたことが
ありますか
***
:
:
やわらかな
暖かい風が吹いています
道道にはたくさんの
あかく腐った木の実が落ち
ふむたびに、くちゅっと
音を立てる
風には
あまい、あたたかな香りがふくまれ
ふくたんびに
金色の金平糖のような
音がたくさんなっています
:
:
:
:
ちいさな手と手をつないで
私たちは歩いていました
おとうとが
ふと、
「どうして
あのひとは
きらわれるの」
そう聞きました
***
:
:
:
たくさんの風が
金色の音を鳴らし
ふきながらながれていく
:
:
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***
わらうことを
いとわない人が
きずつけることを
いとわない人が
苦しめることを
楽しむ人ひとが
こころのあたりまえを
けがし、こわしながら
落ちていく
わたしにめぐみが
たりないと
かれらはくちぐちにいい
りゆうと
いいわけばかりを
くりかえし
わかってくれないと
そう嘆くのです
***
:
:
:
:
:
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:
つけられた背中の
やけどの痕を
見せてくれた人の
なみだを
覚えています
***
:
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:
:
:
ごう
ごうごう
ごう
ごうごう
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かろんじて
わらっている
あいつらが
きらわれて
なげいている
ふみにじり
くりかえし
苦痛与え
みずからの
虚楽のみ
おいもとめた
あいつらが
きらわれて
なげいている
わらい
わらい
うとまれて
軽蔑が
嫌悪を呼んで
侮蔑が
人の顔を
ゆがませる
心の重荷を
ひとに、ひとにと
かせながら
己ばかりの
いたみ いたみと
みにくさを
さけんでる
:
:
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***
風が
たくさん流れ
たくさんのあおい雲が
影を落としながら
私たちの上を
ぐう、ぐうぐううと
流れていきます
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