花の星
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2022
> 動きづらい冷水(今週の絵114)
寒いと鯉は池の下のほうにじっとかたまっている
動くときもどこか鈍い
その姿は、辛そうではない。
どこかこれから春が来ることを知っていて
じっと待っているように見える
この間、池に浮いていた鯉の死骸は何日も放っておかれた
あれは若い鯉のようだからきっと何かに患ったんだろう
そういえば鯉はどうやって死を迎えるんだろう
当たり前だがきっと老いて死ぬこともあるんだろう
なのに、何年間も通ってきたこの池で
鯉の死を見たのは、あの若い鯉と
「サギ」と呼ばれる鳥が食べているときだけだった
きっと清掃の人が片づけてしまうのかもしれないが
死の間際、何かを心し
どことも知れないところに
泳ぎながら消えていく
池の暗がり、どこかにつながっていて
やがて滝を上るように
死をむかえる、そんな鯉を思い浮かべる
動きづらい冷水(今週の絵114)
鉛筆・透明水彩
Series :
池の絵
Tag:
魚
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2022-02-19
09:00:00
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動くときもどこか鈍い
その姿は、辛そうではない。
どこかこれから春が来ることを知っていて
じっと待っているように見える
この間、池に浮いていた鯉の死骸は何日も放っておかれた
あれは若い鯉のようだからきっと何かに患ったんだろう
そういえば鯉はどうやって死を迎えるんだろう
当たり前だがきっと老いて死ぬこともあるんだろう
なのに、何年間も通ってきたこの池で
鯉の死を見たのは、あの若い鯉と
「サギ」と呼ばれる鳥が食べているときだけだった
きっと清掃の人が片づけてしまうのかもしれないが
死の間際、何かを心し
どことも知れないところに
泳ぎながら消えていく
池の暗がり、どこかにつながっていて
やがて滝を上るように
死をむかえる、そんな鯉を思い浮かべる