彼が一年間で
つくっていたモノは
温かいモノです

それにふれれば
忘れていたことを思い出す

暖かいことを
思い出す

そんなものです

見えなくても
見えても
たしかに贈り物はおくられてくるのです

サンタクロースは
毎日この日
たくさんの贈り物を
空から降らせておくるのです



配り終えてしおしおになった袋を
ていねいに畳みながら
朝焼けを見ました

トナカイも、彼も
こういう時、何も話しません
でも互いの心が満ちているのを
彼らは知っています



家に帰るとねえさんが迎えてくれました

「おかえり」

優しい声でねぎらってくれる

「ココアをいれてあるよ
寒かっただろう
おこたつにあたりなよ」

彼は嬉しそうに笑いました

「日本のおこたつは本当に良いものだね」

オレンジ色にあたたかい部屋で
おこたつに潜り込んで
かじかんだ手足をのばしました

そうして
彼はゆっくり息を吐きだしました

ああ、寒かった

……これで一年の仕事は終わりです
仕事納めもかねて
ねえさんとトナカイをまじえて
少し豪華なお祝いすることにしました

良い日が続きますように

~おわり~
クリスマス物語・3・メリークリスマス
鉛筆・透明水彩

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2023-12-25 09:00:00