おおむかし

かれらは どうぶつたちと
へだてりなく 仲間でした……

ことばは たましいからうまれ
たましいから あたえていた

神々はごく自然にそこにあり

こころは ごく自然に

ながれ ながれ


こころから はなさなければ 
うとまれ
こころから つたえれば
だきとめられた

おおむかし

かれらは けものたちといました
だれもが へだてりなく

……

たましいの 開花をもったものは

たましいの こころから 根っこから

たましいを つたえ

ひとは ごく しぜんに

それを うけいれ

だきとめていた

……

白い狼はおおきなもので
わたしたちは
彼のはらにねむりこみ
草と夜を数えていた

……

こころから つたえることが

こころを うごかしていた

それよりほかは

なにもなかった