2006-07-07

うるわしのネガティブ虫

ものすごい暑い八月のとある日、

ベンジャミンなんつー浮かれた名前を別途でもってる

私は、なぜか渋谷の東急ハンズで

「これで簡単!!一日はんこ作り!」とかいう

変なキッドを買ってしまいました。(5千円)



目先の欲に転んだとか

あまりの炎天下で目の前が見えてなかったとか

それよりあまりに多い人人人の行列に、

無茶をしてしまいたくなったとか

理由はいくらでも思いつくんですが、

買った後結構呆然としました、

あほですか私。



それでも帰ってくると妙に浮かれて

準備なんか始めちゃって

やすり紙に水を1、2滴たらすべしってかいてあって

1、2滴なのに、なぜかジャバーっと水に浸してしまって

だめにしたりしてね。

いやもう、ちったあ頭冷やせよお前とか想うんですが、

それでもなんとか準備が整って、

やすりにはんこを押し付けてごりごりしているんですよ、

すごい楽しい。なんかこんなわくわくしたのすごい久しぶり。

しぶりばらっていうのか、こういうの?



やすりをかけるとはんこはつるつるになってね。

嬉しいの、その表面撫でると、なんかもうドキドキするの。

それで「トレーシングペーパーに、絵を書いて転写しろ」って書いてあるんですが

そんなん待てません、待てませんとも、はんこに直接書きました。

ネガ虫のまるっこい姿を。ハートまで飛ばして。

ここら辺でわくわく感が最高潮ですよ、大ラッキーですよ、



そっと彫刻刀を手に取り、

自分のアイディアとは想っても見なかったところから彫り始め、

途中で

「ダメジャン!!!」

「ここ彫っちゃダメ!!」

「あああああー!!!!」

とか気づいていたんだけど引き返せない道に入ってしまい、

ネガ虫さんすでにぼろぼろ。



でもまだ希望を捨てなくて、

彫刻刀をそっと置き、

なんかねー今便利なのね、きゅいいいいいんって

機械で彫るのもあるのよ、きゅいいいいいいんって

それをスイッチオン!!

なんとかせな!!

きゅいいいいいいいん



あああああああああああああああああ

予想外の展開に!

なにこれ、なにこれ、なにこれ

彫るたびにてんこもりの粉が沸きあがって

絵がぜんぜん見えない、もう闇雲に彫るしかない。

気づいたら、

ネガ虫さんの大切な手足が2本取れていました。



文明の馬鹿っ。



だけどね、もしかしたらね、こんなにげろげろに彫られちゃったけど

ほら、はんこって押してみてなんぼじゃないかい、

朱印つけて押しましたよ、ちょっとドキドキしながら、ちょっとわくわくしながら

















なんじゃこりゃ。

あかんですよ、あかんよ、きあにさん、きあにさん、きあにさん、これあかんよ

ネガティブ虫っていうか呪われているよ、幽霊だよ、怖いよ。

持っているのがいやになるよ。



しかたないですよ、一度決めた女の道ですよ、引き返せませんよもちろん、

やすりかけなおして、彫りなおし

「そうよ、きっと手足があったからこんな難しくなったのよ、

ハートも手足も全部なくして、精進精進」とか想いましたよ、

今想うと馬鹿な考えでした。







勘弁してください。





しんどるがな。

生首ですか。

白目むいた幽霊にしか見えません。怖すぎます。

しかたないのでこのままにしました。

幽霊はんことして妹の部屋にそっと置いときます。引き返せませんよもちろん。



ああああ、こんなんじゃネガ虫さんを作るのはいつになることやら。

ちなみに以前作ったネガティブ虫









やはり生首にしか見えません。

いつもは優しい母に「気持ち悪い」って言われました。

いっぱいあるよどうしよう。

Series:(noSeries)