巨怒

世界は反応する

:

まっぐろい蝕手が
地面の下から生えて蠢いている
ご、ごご、ご、
なっているのか
ないているのか
それは蠢きながら音たてる

よくみると
黒いのではない
暗い
そこだけ、夜に
きりわけられたよう

宇宙のように透けこんで
撒き散らしたすなのように
光ものが散らばっている
星にみえる

わけるものだね

とりさんがいう

地にも
天にも
わけるものがいる
ひとをこえ
ひとを見守るものがいる

ごご、ごご、という

このごろ、
世界が
やさしさを
抱いている
自分の
思い込みのほうが
ひどい思い込みをすると
わかってきたんですよ

そういうと
笑っている

避けようか
どうしようか迷ったが
暗く蠢く宇宙のような蝕手だまり
そこに足をふみいれてみた

ずらずらずらと
足から首までそれがまきつく



想いにより、しんにより
わかちたもう、そは幸福なり
汝に問う

ぞうぞうぞうと
暗い蝕手がうごめく
しばらくのち
それは
地面に
ぞうぞうぞうと
たんなる草のように横たわる

おわったよ

とりさんが笑う

:

現実はわからないし
ひとも、わからない
あのひとたちは、わかるらしい

自分の見る目は
いつも、浅いとおもう
自分のことも
ひとのことも

悪いものなら、おちればいい
善いものなら、出会えばいい
2016-09-03 07:11:59