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詩
> こじき
いきていてなんにもなくなった
こじきがいてこじきはなんにも
なくなったてのひらをおおぞら
にさしだしてどうかかみさま、
もういちどこのぼくにすべてを
くださいといった。
かみさまのじひぶかいまなざし
こじきはただただねがったけれ
ど、あさになってもよるになっ
ても、こじきのてにはなんの
想い
もやどらなかった。
こじきはぜつぼうしてかみさま
をのろい、すべてのせかいに心
とざし、少し泣いた。あるひこ
じきがめをさますと、てのひら
にちいさな花の鱗片がのってい
た、こじきはそれをみて、また
少し泣いた。
こじきはやっと気がついた、
てのひらにはなんの想いもないけれど
この世界、全てのものがあることに
こじきはなんにも持っていないけれど。
花びらをそっと吹いて、舞っていくのをただ見てた。
(シリーズ:
イド
)
2005-07-09
00:00:00
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こじきがいてこじきはなんにも
なくなったてのひらをおおぞら
にさしだしてどうかかみさま、
もういちどこのぼくにすべてを
くださいといった。
かみさまのじひぶかいまなざし
こじきはただただねがったけれ
ど、あさになってもよるになっ
ても、こじきのてにはなんの
想い
もやどらなかった。
こじきはぜつぼうしてかみさま
をのろい、すべてのせかいに心
とざし、少し泣いた。あるひこ
じきがめをさますと、てのひら
にちいさな花の鱗片がのってい
た、こじきはそれをみて、また
少し泣いた。
こじきはやっと気がついた、
てのひらにはなんの想いもないけれど
この世界、全てのものがあることに
こじきはなんにも持っていないけれど。
花びらをそっと吹いて、舞っていくのをただ見てた。