やわらかなひつじ
ゆきとにている
むねのなか
冷えた痛み
たまにおちる


***


***

せめたいわけでも
なじりたいわけでもなく
嫌なひとに
いやなことをされた
そんな思い出が
ふと、よこぎる


にくしみもなく
いかりも、うらみもなく
つめたい水が
よこぎる


ただ、それだけ
……


***


***

あのひとは

周囲の生け垣がきえたら
きえるように
生きて

池になげこまれた石よりも
波紋を気にしていた

いつも
美しく見える角度を
さがしていた

***

笑みにならない
黒い歪みを
たまに思い出す


***


***

たくさんの勇気より
ちからより
わずかなユーモアが
灯りだった

他愛ない
わらいばなしが
つないでくれた
……