とりさんと溺れる者

たまに溺れているな、と
かんじます
世界や、さまざまなことに

藁をもつかもうと
てをふりあげれば
たいてい、ゆかなぎは
とりさんのあたまをつかんでしまいます

今日も、
わずかに溺れ
とりさんをつかんで
陸に上がりました

とりさんはとても筋肉があります
そのやわらかな羽の下は
強靭な力と動きをうみだす筋肉が
みちみちています

どんなにゆかなぎが溺れていても
とりさんはゆかなぎをひきずるように
陸にあげることができるのです

いわんこっちゃない

ほんのすこしぬれた羽を
ハンカチでぬぐいながら
とりさんはいいます
でもおなじぐらいの声で

どんどんやればいいのに

とまったり、戸惑うから溺れるのさ
そうわらって、お酒をのもうと
いうのです

ゆかなぎはとりさんが大切です
とりさんも、ゆかなぎが
大切だといいます

ゆかなぎが
大きな流れにのみこまれ
おぼれたとき
とりさんは
たすけられませんでした
あまりに流れがつよすぎて
たすけられませんでした
でも一緒に流れにとびこんで
のみこまれて
ゆかなぎを
はなしませんでした
ゆかなぎも
とりさんを
はなしませんでした

これからすこし
ゆかなぎと、とりさんのことを
綴っていきたいとおもいます
2016-08-25 09:18:26