そら

たとえば
いのりのような
雨がふっている

たとえば
金色の
花が咲いている

この世の愛を
かぞえましょう


銀の波が
くりかえし
くりかえし
月の下で
ゆっくりゆっくり
息をしていた

のんびりとした
ひどくのろい時の中
あなたは、私の隣で
ぺんぺん草などをつんで
ペンペンペンペンならしている

黄色と、白の
小さな花が
やわいやわい月のひかりと
まだ、明るい海の光をうけて
風にゆれている

ふ、と
あなたが
私を見た

支配と、独善の
思いやりや、やさしさなら
だれでも、もっているんだ

独裁者の、指導者の心と目ではなくて
愛と思いやり深い心と目を
もちなさい

無理だなんて
いわないで
できるんだから

ペンペン、ペンペン
ちいさな、ペンペン草は
かれのなかで
ペンペンなって
ペンペン、ペンペン

相手の自由を
束縛して
ああすればいいって
こうすればいいって
支配下におくなんて
愛ではないよ
独占欲だよ
支配欲かな
指導欲かな

えらくなった人の
エゴイズムの思いやりは
いつも 指導者めいていて

アドバイス、なんて
いらない
アドバイスより
こころを差し出せたら
それでいいんだよ

ねえ、
たまに、私の目が
くもってしまって
私の耳が
きこえなくなって
私の口が
あかなくなる

私の中の、ただ
私だけに
駆られてしまう

そういったら
彼は、月をみあげて
んふふ、と笑って
傍に咲いていた月見草を
ちりちり、揺らした
ペンペン、ペンペン

月見草
金の花 ゆらして
光をつらつら
ちょっと、恥ずかしそうだった

まだ、分からないことが
たくさん たくさん あって
ただ 分かってないほうが
ずっと ずっと
たくさん たくさん
あるんだろう

ぴっかりぴかぴかした
銀の月が
銀の浜辺に
わたしたちの影を
紫と、はいいろに
おとしていく

花も、ひかるのね
そういったら
月の光を吸うからね、なんていう
太陽のひかりも、吸うからね
なんて笑う

花も、ひかるのね

分かった気になって話す
アドバイスは
なんの役にも立たない
それで、いいなりにさせて
なにが、よかったかって
エゴが満ちて
あなたの気持ちが良かっただけ

 人を ああしたいとか
 こうしたいとか
 思っては いけない
 人を 愛したい 思いやりたいと
 あなたを 祈りなさい

考えなんかいらない
わたしは私の
足を絡めとるような
怒りから逃げとびたい

 ねえ やさしくなりたい
 やさしくなりたい
 想い深く ふかく
 やさしくなりたい

 どうして わたしは
 こんなに 醜い

なにを、怒っているの
と、いうから
うまくいかない 私
そう 言ったら
笑われた


うん ふっふっふ
うん ふっふ

私の愛を
かぞえましょう



2011-05-19 18:28:15