tegami

あなたへのこだわりを
すてなさいと
あなたは言う

わたしは
いやいや、　いやいや
と　なきながら
くびをふる

わたしがいっとうでないと
いやです　いやですと

そうすると
困ったようにわらって

あなたは　あなたにしか
なれないし
どれほど　ほかのひとと
にていて
どれほど
ほかのひとと
おなじことをしていても

あなたは　あなたしかできない

わたしは
ひとよりすぐれたいです
と　まだだだをこねたら
あなたは　また笑って

ひとより優れたいなら
あなたより優れなければならない
それはつらいことです

なぜって
人より優れることは
人には、むりなのです
ひとは　ひとなのです

あなたになりなさい

だれもが　だれもが
その人であることを
のぞまれている
その人であるために
命を授けられた

使命とは
ただ
毎日の生活の中
修羅でも極楽でも
その人である
それだけです

わたしは
なみだを
ながしている

それで
わたしは
わかっていた

わたしであるだけで
すぐれたこと
特別なことなのだと

そのひとが
そのひとであることが
すぐれたこと

特別なことなのだと

ひとり　ひとりだから
優れたこと
特別なことなのだと

ひとり　ひとり

愛に命を与えられ
愛することを見つけ出す
そのひとつひとつが
大切なのだと

　いきること

　私は修羅の中で苦しいです

わたしの修羅は
ひとと　ひとしく
わたしのなかに
あります