小さな電話が鳴っていて
それをみながら
とかげのようだ、と 思った

ただ、とったら
外にいるから出てこないか、という
それで身支度をして
たたたたた、と
でていったら
さむいね、という
うん、といったら
もう 本当に冬だね、 と
いわれた

―― すかれたいのに
すかれない、と いうから
素直になったら、そういったら
素直な自分はみにくい、そういう

―― みにくいと 思える素直な本心は
まだ、本心ではない

―― もっと ごく ごく 単純な弱さが
本心なのだろう

きずつくことが
嫌いなのかと思っていたし
苦手なのだろうと
おもっていた

いまは、傷つくより
自分のことも
人のことも
癒すこと
許すことが
苦手なのだと、思う

きずついても
癒せるかが
わからないから

自分が
立ち上がれることを
信頼できないだけなんだと
思った

立ち直り方を知らないんだろう。


―― 無理をするのと
がんばるのは
ちがうよ

―― プライドはいつも 情けない。

空を見上げたら
つきの中から
ちいさな 細かい雪が
ふりそそぎ
まるで、雪の中で
なにもかもが
見えなくなりそうだった

こわくて
貴方の手をつないだら
震えていたから

ああ、こわいんだ と
思えた

―― おとなが
怖いだなんて
こどもには
どう思えるんだろう

でも、わたし
こどものほうが
守ろうとしていたのを
よく おぼえている

こどものころのほうが
もっと 純粋に
まもろうとしていた

まもれない なんて
けっして
おもわなかった。


でも あなたは
笑っていた

だから わたしも、笑った

大丈夫。
どうとでもなる というのは
どうなっても
どうとでもする と
いうことで

なにがあっても
私は、探しだすから。
2011-12-11 15:53:38