あおい空の中から
まるで
すきとおるような
しろい雪が
おともなくふってくる
みちぱたの
かれ草 水草
つちのうえに
しめったように
消えていく
雪がきえてしまうのが
わからなかった
だのにきがつけば
ふりつもる

―― あのね

私は赤いかさをもって
あなたは黄色いレインコートで
てぽてぽ
あるく
そのうち、かさは
いらなくなる

―― あのね

かわばらにきて
岸の上の方は
しろいしろい
やわらかなゆきがつもっていたから
すこししゃがんで
むこうには
あいまいな町が見える

―― なにを
 いいたいのか
 わすれてしまう

―― はは

きみは笑う
私は少し
かなしくなる

―― どうしてわらうの

そういえば

―― おかしいからだよ

そういう

上を見たら
うすい桃色
むらさきめいた空に
しろい、小さな星が
なんこもなんこも
ひかりはじめ
ま白い、はんかけの月が
ゆっくりと
空にたゆたい
うつくしい

―― そうだね
 おかしいよね

―― うん

あはは って
わらう
明日のことを
今日考えて
今日のことが
おざなりになる

いつ、なんて
きっとなんにも
わからないまま

目の前の 明日へのこと
つづけていこう

―― 空をスープにしたら
どんな味がするか

そういったら

―― コンソメスープ

そういう

―― なんで

―― ぼくがすきだから

そういうから
なにか、うれしくなって
コンソメに、たまごと
たまねぎで
スープ作ろうか
なんていって
手をつないで
かえった

また明日も
つづきたい


―― いいたいことを おもいだした

 いっしょにいたい だけだった
2011-12-20 09:59:16