うすべにの
ただ、紅く
いろづくつばきに
優しさの金色

紅いかんざしをくださいましたから
それを髪にさして
あなたに、あいにいこうかと
夜道をでましたら
なにか、白いとりがいて
それが魚をはんで
たまには、酒でものみたいなあ、と
ぼやいております

鳥がどうして、
お酒を飲みたがるのでしょう
ふ、と
目が合い、それが金色で
すこしこわい

人間は酒を魚とのむそうじゃないか
魚と酒をのむのが
いいそうじゃないか

そう聞かれるから
さぁ、わたしは、酒はのみませんし
そういうと
手にしているのは酒ではないの
そう、いわれます

いいえ、これは
酒ではなくて
お水なんです
そう、いいましたら
水か、残念

くえくえくえ、と
笑われます

少しがっかりされたその姿が
ちくりとして
困ってしまいました

あ、お酒は
ぶどうとかを
発酵させるのだそうですよ

ぶとうを?

ええ、発酵

はっこう?

く、くさらせるんだそうです

そういうと
本当に?
と、いわれますから
ちょっとわかりません、と
正直にいいました

まあ、いいや
やってみて
のめたらのむよ

ええ、お気をつけて

それで別れて参りました
たまに、うまいぐあいに
発酵したかなあなんて
思います
2012-01-17 22:25:51