赤い夕日にしずみます町を
あるいていきますと
家々はすこしずつ減っていき
やがて、野原にでました
しかし足元に茶色い道はつづいていて
その真ん中で
草笛をふいている
赤い赤い綺麗なかたがいらっしゃる

かれは名をなのらず
わたしは
闘いをよろこぶ……
たたかえることを
よろこぶ、しかし、あのひとは
闘いをかなしまれる

そういわれる
また、細い草であまれた笛に唇をつけて
ぷーりりり、と
ふかれる

ひとをまもり
害を駆逐すること
そのちからが
あることが嬉しい……

闘いが、攻撃ではなく
あたたかい、守護なのですね……

気がつくと
まわりは一面に
赤い花がさきほこる
ぼんやり光る
赤い赤い花が咲いている
ーーこの世のはてはうつくしい
そういわれる

あのひとのかんざしに、と
かれは、かがんで
ひとつ、つんだ……

わたしをよろこびながら
闘いをかなしまれる
痛みを……かなしみながら
害をけせる私をいとしまれる

……

空はあけぼんやり、としていて
まっしろい月が細くゆらいでいます

おこりすぎると
かお、かたち
すがた、すべて
どろどろに歪む
歪む私をみて
いとしい、と
そんなに怒っていとしい、と
あのひとはいわれる

それでも
痛みをかなしまれる
ふかく

ふかく

……

空から白い白いひかりがおりてくる
こまかいこまかいひかり

海のなかでは
プランクトンの
死骸がまいおり
光る……そんな様をおもいだした