花の星
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まんが・絵本
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> おたまじゃくし
うずらさんと
なまずさんは
友達でした
やわらかなかみをもつ
うずらさんは
やわらかなうろこをもつ
なまずさんに
あこがれていました
さんさんに雨がふる
やわらかなあめ
しずかな、ぎんいろの雨が
すべてを水に
ひたしています
***
うずらさんは
さけのみのなまずさんに
あうために
よいおさけを
つくりました
よいおさけなので
ほどよく
おいしく呑めましょう
なまずさんのいえにはいると
なまずさんはお酒のひょうたんを
そとにさらしていました
***
――どうしたの?
――あめふってるから
さけ、ふやしとんよ
――
***
***
黒い黒いおたましゃくしは
うたっています
ちかちかとまたたく
なにか、ふしぎ
あたたかいのに
ピチピチするうたです
***
――たれもみな
しあわせに
なりたいから
たれもみな
ふしあわせの
みなもとを
さがしている
――しあわせを
さがしわすれ……
***
――たれもみな
すかれたい
たれもみな
きずつきたくない
いたみ、おびえ
たれもみな
きずつけたくない
いたみ、おびえ
――たれもみな
まよいご
たれもみな
まよいご
――ひとといたいな
ひとといるのは
いたいな
いたいな
――ひとといたいな
――たれもみな
ひとといたい
ひとといると
いたいから
いたいから
いたいんだよな
***
***
なまずさんは
かえるになるまで
ひょうたんにいれたいと
いいましたが
でられなくなったら
かわいそうなので
にがしてあげました
おたまじゃくしは
すこしだけ
よっぱらっているようでした
... 前頁「バグ」へ
... 次頁「鬼」へ
2012-04-27
17:53:37
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なまずさんは
友達でした
やわらかなかみをもつ
うずらさんは
やわらかなうろこをもつ
なまずさんに
あこがれていました
さんさんに雨がふる
やわらかなあめ
しずかな、ぎんいろの雨が
すべてを水に
ひたしています
***
うずらさんは
さけのみのなまずさんに
あうために
よいおさけを
つくりました
よいおさけなので
ほどよく
おいしく呑めましょう
なまずさんのいえにはいると
なまずさんはお酒のひょうたんを
そとにさらしていました
***
――どうしたの?
――あめふってるから
さけ、ふやしとんよ
――
***
***
黒い黒いおたましゃくしは
うたっています
ちかちかとまたたく
なにか、ふしぎ
あたたかいのに
ピチピチするうたです
***
――たれもみな
しあわせに
なりたいから
たれもみな
ふしあわせの
みなもとを
さがしている
――しあわせを
さがしわすれ……
***
――たれもみな
すかれたい
たれもみな
きずつきたくない
いたみ、おびえ
たれもみな
きずつけたくない
いたみ、おびえ
――たれもみな
まよいご
たれもみな
まよいご
――ひとといたいな
ひとといるのは
いたいな
いたいな
――ひとといたいな
――たれもみな
ひとといたい
ひとといると
いたいから
いたいから
いたいんだよな
***
***
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かえるになるまで
ひょうたんにいれたいと
いいましたが
でられなくなったら
かわいそうなので
にがしてあげました
おたまじゃくしは
すこしだけ
よっぱらっているようでした