蛇のはなし

あしもとに
くらいながれと
あかるいながれがあって

あかるいながれは
花がふりおりたり
果実がながれたりして
あかるい

だけども
くらいながれも
おまえをうつせ
川面にうつせ、と
いうてくる

くらがりのなかで
川面には
わたしのかおばかりうつる

そいでも

明るければいいというと
明るければわからんこともある

……

明るい川のながれから
おりてきた花を
くらいかわのながれに
おとすと
花はふらふらとまってきえる

綺麗なものだ

……

それでも
どちらのかわも
貴方ではない

わたしではない

川はながれ
川そこにあるけれど

わたしでもないし
あなたでもない