花の星
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2011
中編[Year.2011]
2011
2011-12-19
13:47:25
カメラ
きいろい砂漠のなかで らくだにのって それを案内するひとが ぽてり、ぽてりと はなすのは ピン呆けカメラで あなたをとったら ぼやけてみえて かなしかった だの 不思議な話ばかり(……)
(1731文字数)
2011-12-14
20:00:23
メイ
メイは メイとつけたのが 誰だか知らないのですが それでも、気がついたら まわりのひとから メイ、メイ、と呼ばれているので 自分はメイなのだろうと 思っている 小さな少年でした (……)
(2576文字数)
2011-12-10
13:38:05
へのへのもへじ
あおいあおい空に たくさんの、細かい星が きら きら きらきら ひかりかがやいて いまは なにをいっても 私の言葉は 嘘にしか 見えないと 思った だから唇を ぬいつけた どう(……)
(1641文字数)
2011-11-06
18:19:32
虎
今日ね となりにトラがいて ずっと 話してくれたんです そのトラは どこかの国の、奥にいて いつもは笹を食べているんだそうです 肉を食べないでいれば 仙人虎になると いわれたんだそう(……)
(2116文字数)
2011-10-02
23:56:24
ダイヤモンド
ダイヤモンドはね たかいたかい 圧力の中 ずっとずっとがまんして なるんだよ たかいたかい 圧力の中 ずっとずっと がまんして ぐっとぐっと がまんして 光り輝く ダイヤモンドに(……)
(1691文字数)
2011-10-02
21:48:54
一秒間だけ、女神
きっこのなまえは 吉寺 占め子という 親が何を考えて そんなたわけた名前を付けたのか 私にはわからない きっこはいつも、親の話をしなかった : きっこが酔っ払いながら よくいう(……)
(3251文字数)
2011-10-01
21:27:04
金の虫
♪~♪~ のみこめない痛みを前に 迷っているような日々 言えば傷つき いわなければ泣くこともない ♪~♪~ だけど のみこめない思いを前に ただ ♪~ ♪~ 見えない思いの重さ 金の虫けらの話を(……)
(1900文字数)
2011-10-01
21:26:39
エギンのたび
♪~♪~ りん りんりんとなる 星空のした きみといたね いつも ♪~♪~ りん りんりんとなる 星空のした 君の思いなんて いつも わからなかった ♪~♪~ りん りんりんとなる 星空のした ♪~♪(……)
(2098文字数)
2011-10-01
21:26:35
空の蟻
♪~♪~ いつも思っていたんだ 砂山で作った城 鳥の鳴き声 夕暮れ 公園のベンチ ブランコ ♪~♪~ いつも思っていたんだ 手に入れた何もかも 崩れ落ちる時 わかっていた ♪~♪~ いつも 思っていた(……)
(1906文字数)
2011-09-25
22:36:37
song
りぐりぐ りんりんと 鈴が鳴ります 気がついたら 雨の中 たくさんの魚がいて 気がついたら 雨の中 たくさんの月明かり すいこんでひかる 星のような魚がいて すいすい す(……)
(1913文字数)
2011-09-20
13:20:34
ボタン
いつから 終わらない旅に出てしまい ここまで迷ってきたように思う : しがみついていた たくさんの、なにかが 崩れ落ちるのを感じるたびに ただ、私が間違っていたように思えた。 (……)
(2651文字数)
2011-09-19
11:34:44
号泣
真っ黒い湖 薄い水仙が ひかり、ひかり 水音だけが響いている 睡蓮がゆっくり顔を上げて そのつぼみが うす銀にかがやいて 月明かりを吸い込んでいる ―― 自我が、そうだという (……)
(1755文字数)
2011-09-09
16:42:33
サグ
朝方だったようで うすい青い砂漠森には ところどころにはえた木から 黒い影が伸びていた あるくと、きゅ、きゅ、きゅと 足音がして なるほど、ここ鳴き砂なのだね、と サグは思った サ(……)
(3879文字数)
2011-09-06
16:48:40
泰魚
ぼおっとした海に はんかけの月が ひっかかて 落ちかけている うすい青い雲が 空のはしからはしまで流れていた 私たちは大きな白い魚の背中に乗り その銀にひかり 月明かりに反射す(……)
(1537文字数)
2011-09-02
20:22:37
赤い実
♪~♪~ きっとさ きっとさ 砂落ちる 砂山の上 歩く蟻 ♪~♪~ いつ崩れるかわからない そんな刹那を積み重ね ♪~ 砂で作った城みあげ おれがすごいや おまえがいい ♪~ きっとさ きっとさ(……)
(1508文字数)
2011-08-31
16:10:07
失ってはならない
なにか、雨は 細く細く 銀色の矢のようにふっておりました それがあまりに細いので ひとにつきささり それが痛々しく すこし恐ろしいようでした それでもその雨の合間に うつくしい光は(……)
(1755文字数)
2011-08-03
12:50:29
愚痴
しかしその さわさわとした夜の中 あまりにふさふさの 綺麗な金色の草花が さわいでいるので あたしは、泣きたくなるのでした あたしは、 黒毛の猫になって おおきく伸びをしました (……)
(1503文字数)
2011-08-02
17:31:26
まるで
その日 夕暮れのにおいがした 日が暮れる 太陽がしずむ音は ほんのわずか さびしい またね、といわれるようだった こうどに はったつした ぶんめいのために わたし たち(……)
(1568文字数)
2011-07-30
13:06:30
あぶく
あぶくがたっていました 赤い湖畔のそとに わたしたちはおりました 月なのか、太陽なのか おだやかなひかりが 木々の影から差込んで あぶくがはじけるたびに その水しぶき ひたすらに 瞬(……)
(2015文字数)
2011-07-25
00:13:05
ジョウさん ―― 闘心
ひとは 自分をフォローしようとしたとき ひとを、否定したり 非難したりする言葉を 必ずはく それは、そのひとが 相手の行動や言葉に、無意識に 自分への否定や非難感を感じ 相手が悪い(……)
(2374文字数)
2011-07-24
16:47:57
渡り鳥
狂気の目と、 純粋なこころを持つ人の目は 似ている。 : 柔らかな雨が降っていた あたたかい雪のような雨だった なまぬるい、大粒の 重い雨だった そういえば、 小さな頃、(……)
(2216文字数)
2011-07-21
22:56:56
壊れないあなたのための賛美歌
知識。 本や、誰や 執着や虚栄心 ほめられたいあまり リアリズム、現実的だからと すがりつくように わかったふりをして 身につけたことを すべて、捨ててください のこったものが (……)
(1976文字数)
2011-06-16
22:09:10
椿
むかし、むかし 確かに、私たちは ひとから人よりおとるものとして よりわけられていた だけど、それには 明確な基準や 明確な規則など なかったように思う たんになんとなく 劣るも(……)
(3970文字数)
2011-05-30
19:18:41
軽蔑してきた大人たち
昔はよかった 今はなんたることか なんていうから 私は、一所懸命歴史をあさって 人類は、いつごろが、 いっとう 幸せだったんだろうと、みてみた 一所懸命あさった歴史の本は たくさん(……)
(3198文字数)
2011-05-21
21:15:53
たいよう
すずらんの群生 おだやかな青緑の やわらかいまるい葉に ちいさな、白い花が うすくうずくまっている ぽつ、ぽつと 月はもう だいぶ、しずみかけていた 遠くの方から 空にひびくよう(……)
(1511文字数)
2011-05-18
23:18:12
かすかな話
ふ、と とおくから はなしてみたら まわりにまわるのは その人の影だった : ぷわ、ぷわ、と 海の底から あぶくのような 白いきれいな水泡が うえにあがっていった (……)
(3294文字数)
2011-05-17
11:34:53
涙を捨てよう
涙を捨てよう そう、思ったのは 実は自分が だいぶ人を怨んでいて、怒っていたんだと 気がついた朝方だった 人を、愛していながら 求めながら、わたしは 人を深く、たぶん、誰よりも深く (……)
(2616文字数)
2011-05-17
00:45:11
鏡が欲しい
月が瞬いていて それが、 あまりに美しいと わらいながら 啼いた かれは、わたしの手をとって ただ しずかに、わたしをひいて 歩いてくれる 暗い くらい 闇の中で ちい(……)
(1982文字数)
2011-05-11
21:26:36
月星
やわらかな、月あかりの下 遠くの暗い地面の中に すいこまれるように 自転車のライトが、消えていった 「一方通行」と 黄色に白いペンキでかかれた さびれた看板のそばを通ると まっすぐ前(……)
(1988文字数)
2011-04-29
22:44:24
月の下
海辺の砂浜 砂にさえ 銀の月の光 祖母は、私とともに居て 私は、青い魚を三匹ほどもって 祖母の隣にすわりました 祖母は、もう高齢で ぽつ、ぽつ、と話しました 魚ぁ、とれるとは (……)
(1685文字数)
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