まぶたのこおに

朝起きたらものもらいになっていた
かがみをみたら、ぽっつり、まぶたがはれている
そうしてしばらく
はれたまぶたをみていたら
小さい鬼がひょこりと
まぶたの裏から出てきた

あいな、まいったことですが、
まぶたすこし
ふとましくしましたよ

鬼がいう

ええ、どうして、
こまるのだけど、とこたえたら

こんきんは、
ほんとうに
かふんだの、のろいだの、
さまざまな厄がとんできます

まなこ壊されたら
ここ、私のすみかですし
わたし、生きてけませんから
まぶたはらして、守らしてもらいました

そうして、ふうふとわらい
できればお医者にいってください
お医者のくすりは
厄にもききます

そうして、そういう

ええ、いつから私のまぶたのうらを
すみかにされているの、と
いうまえに、かれはまた
まぶたにすらりとはいっていった
2013-09-14 19:44:11