遠くの空で君が笑って

ひめやかな声をハッセル

軋む胸に跡をつけた

空は

空は青く君に棲む



(そのままでいいなんて誰が言ったの)

(深く沈んだ山椒魚のように)

(ずっと動かない気なの)

(ただ瞳だけを動かして)

(君は誰なの)



君が居たから僕がいたんだ



(黒い尾鰭にぬれた光)

(そばにいてもいいでしょう?)



山椒魚の嘆きのような

とおいい泣き声空に響いて

僕の胸を(君の胸を)軋ませた



夢も人もない

君と血の川をゆく

つらさも怖さもない

日暮れの道をゆく

たどりつくのは空の君

蒼は

蒼は遙か君に棲む
(シリーズ: イド )
2005-07-09 00:20:23