ひとに
ひっかかるのは
おまえが
できている

 できていると
 おもいこんでいる

おまえ

だから
おまえが
しなければ
ならないのは

ひとのことではない

***

ただしいひと

わるいひとより

悪鬼(おに)になる


鬼さんこちら

手のなるほうへ

***

ヒイラギの花に
かこまれた
人は
叫ぶように
彼にいいました

ああ、どうして
みえないのです
あなたには
あの鬼が

彼は
いいました

わたしには みえない
おちつきなさい

しかし 人は
叫び続ける

おにが 鬼が
おそろしい


あれは
みなもに
うつる
あなたの姿

おちつきなさい

(名のない本より)

***

黒く銀色の池のほとり
ちいさなあばらやが
おじじさまと
私のすみか

今日はだいぶ風もふいて
ちいさな赤いつばきが
ぽそぽそと
ゆれている

***




「きをつけてね」

***

おじじさまの障子は
すこし、きしむ

キキキシ

***




「?」

***




「ごらん」

***

 ごらん ごらん ごらん

***

わたしを もって
ひと を うつ

あの鬼は だ あ れ

***

責めているの?
 いいえ 正しているの

厳しいね?
 いいえ 導いているのよ

 私 優れているから
 劣っている人を
 ただしているの




わかっている
なにを

わかっていない
だれが

わからせてやる
だれに




なにを?

だれが?

だれに?

***

おまえを
上とし
ひとを
下とする

ただしい ただしい

正しいは 鬼の片割れ

***




***




***

なんでもないです

ただの鬼が
いただけ

***