白毛猿

特別、のまえに、盲目になり
力、のまえに、盲目になる

考えないもの、を
かれらは
欲する

飢えているものは
ひとを、喰いたがる

:

とくべつなちからだ
とくべつなちからだといって
ひとが、
赤色のひかりにむらがり
わあわあさけぶ

すごいエネルギーだ!
すごいエネルギーだ
ひとが
黄色いひかりにむらがり
わあわあさけぶ

スゴイチカラダ
スゴイチカラダ

いいもわるいもないらしい
すごいとさけび
とくべつとさけぶ

ほむらだ

むらがるものが
むらがる先から
やけこげていく
いたみはないらしい
ただ、スゴイチカラダ!と
さけびながら、わらいながら
おすな。おすなと
あとからあとから
焦げていく、燃えていく

炎に群がる蛾

燃え尽きることを
理解できていない

いたみも、
くつうも、
わかりたくないから
かんじないのか
ただ、ちから、に
むらがっている

トクベツナチカラダ
スゴイチカラダ

人の、蛾の、まわりで
なにかが叫んでいる
みてみれば
真っ暗やみが
叫んでいる
鼓舞するように
叫んでいる

ひとり、しろいけなみの猿がいて
目があった
それがそうっとおりてくる
おりてきて
耳にてをあて
ささやいた

こもりです、という
ながれをまもるものです
あれもまた、罠のひとつです

ここには
飢えてるものがいらっしゃいます

~トクベツナチカラより
スゴイチカラより
魂のほうが
なん万倍も稀少なのにね

腹から声がした
おどろいてみれば
ちいさなしろい人の顔がある

すこし、ほほえまれる

トクベツナチカラも
スゴイチカラも
わたしたちならば
イージーなこと

人間として生きれば
人間のちからは
磨かれますけど

人間の魂
与えられた人生の
ちからをすてて
かれらは
イージーにむらがる

猿がわたしをみている

かんがえなさい
かかりたくなければ
みずらのきもちで、
みずらのあたまで
ものをかんがえ、かんじ
わかりなさい

そういわれる
2016-08-31 15:33:48