泣き言

私の傍に
母と父がおりました
父はさわさわとした
金色のふさふさをもって
ぴんぴんぺんぺんと
うたっていらっしゃいました
母はただ微笑みながら
私のひたすらな遊びを
眺めていらっしゃいました

ふと気がつくと
それは、まるで遠くの出来事でした
私は水辺におりました
淡水のそばにおりました
真珠がちかちかまたたき
砂は金の粒でできていました
きら、きら、きらと
まるで足を洗うように
さらさら流れていました

うつくしい
緑色のかえるがいらして
ぴしゃん、ぴしゃんと
葉のうえからたれる
あまつぶが
頭の上にたれるのを
うっとりとたのしんでいました

信仰は法衣に宿らないと
覚えました
それはこころに宿るのでした

私は、ふと
泣きたくなりました

それは人の気持ちに
宿るんだと
そう わかっているのに

 属しているなにかでも
 仕えている仕事でも
 信じている神様の種類でも
 なくて

お前の心なのだと
わかっているから

泣きたくなりました

法でも
ましてや習ったことでも
すがた、かたちでも
おぼえたことでも
ちしきでも
体からわくものでもない

心なのでした
心なのでした

しかし
それをいったところで
わたしのことばの
なにが あなたに
伝わるのでしょう

あなたは
わたしのすがたかたちと
現実を持って
わたしを思い違えるでしょう

いろいろな 思い違いを
行うのでしょう

信じて欲しいわけでも
あがめてほしいわけでもない
何故伝えたいことの
おもいを
あなたは その心の目の
よごれをもって
かえてしまうんだろう

 人のおもいを大切になさい

 人のこころに
 よりそいなさい

 思いやりを
 もちなさい

愛をおぼえ 愛に尽くし
思いをただあたたかく
ふかめるのが

それが 信仰なのだと
私は おぼえております
2011-08-03 12:50:39