―― 押し付けるものでも
 ないのよねぇ

なんていいながら
ぽてぽて
手をつないで
まだ歩いていて
金色の砂漠のように
花が、いっぱいに
咲いている

空の真ん中に
月がぴかぴか
うたを うたっている

―― こどもは
 月がすきって言っていた
 こどもは
 いつまで
 月と話せるんだろう
 とても すきって
 いっていた

―― 言葉より 意味より
 つたわる

その真ん中に
月がピカピカ
うたをうたっている

砂漠のような
あたり一面金色の花
ちいさな水をたっぷりふくんだ
深緑色のサボテンが
ちらちら
月明かりに光っている

―― ねえ
 愛は ねえ 愛は

いおうとして
いおうとして
まとまらない

ふ、ふふ
と、隣で笑われる

―― あなたの幸せを願っている
 どんな風なかたちが
 あなたの幸せなのかは
 わからない
 あなたも きっと わかっていない

―― あなたの幸せを

 願っている

月明かり
金色の花の海
サボテンの光
月明かり

―― あなたに幸せを
2011-10-17 21:13:37