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幼かったころ
沢山の答えを
沢山の人がくれた
それは、いまでも
うみでゆらぐ、骨のないくらげのように
外側にくっついる

悪いなんて思えないし
好きじゃないなんて
いえないけれど
わかっていた



真っ白い砂浜に
足跡をつけるように
ゆっくり
ゆっくり歩いている
ヘンテコな獣は
めだまがなんだか
真っ金色で
ちかちかとまたたきながら

 にんげんがすきだ

そう、つぶやいている
私も、と
その背の上でつぶやくと
きみもか、なんぎだね
そういう

だって、すきなんだもの

まっしろい月は
母のようだ
わたしを抱きしめながら
あの人が歌ってくれたことが
私の、うたいたいことになる
あれは支配でも、指導でもない

―― あなたのこたえは
あなたのなかに
あなたの道から
やしなうしかない

ねぇ、いつだって
正しい側にいようとすると
自分の好悪を
正義だなんて
善悪だなんて
押しつけたくなるわよね

白い獣は
ゆさゆさ笑って
わたしをそっと
その長い鼻でさんべんなでる

あら、あなた
象さんなのね
でも、毛が生えているから
マンモスかもね

―― 人を幸せにしたいと願い
自分の考えの檻にいれたら
しあわせがくると
自分さえだましながら うそつきね

―― こえてね
私も私を こえていくよ

空はうす明り
水色に明るい
白い星が
すきかってに
てんで、光輝いている
2012-01-23 15:21:06