暗い色のパズルを選んだら
つくるうちにきがめいってしまった
失敗だったと笑って
邪魔をしようかどうしようか
なやんでいるらしいみゃーこに話しかける
やめておいてよ
おわるまではさ

顔をあげると
くもった窓ガラスに相合い傘がかいてあった
透明な雫が、傘のりょうからたれおちて
四角い線をえがいている

特に気にもせず
お腹がすいたからぱんをたべようかな
夕飯の時間をずらそう
だのかんがえて
そういえば、と
おもいだす

そういえば、
むかし、小学校の頃
窓ガラス、くもり
みなが落書きをしている間に
相合い傘をかいた

誰と誰なんて
考えもしないで
相合い傘を
かいてみたかったんだ

名前をいれようとして
思い浮かばないことに気がついた
それで、友達の名前をかいて
となりに雨のおう、そうかいた

いまおもえば
随分迷惑な相合い傘で
友達は、雨のおうって?なに?
だれ?と戸惑っていた

来月末に彼女は結婚する
ウエディングドレスで迷いすぎて
笑っている
お相手は、気のいい雨男で
会うたびにきりさめがふる
彼らは一緒にいると
境目があいまいになって
やわかくなってしまうようで
好きだった

結婚式のスピーチは
雨のぶん、かならずね
雨男なのよ
彼女は笑ってばかりで
私はじんわりした

窓ガラス
相合い傘
歩み寄ると滴にゆれている
誰が書いたんだろう
名前はかかれていない
なんとなくほほえましくて
雨のおう、雨のじょおう、
そう書いた

ふりかえってみたら
パズルの上にみゃーこがどっしりのって
ミャソ、と
自信満々にないた
2012-02-24 17:49:53