ちいさな音を立てて
雨がぱらついている
金色の蛇が
あめのたまった水の中を
すいすい、すいすい、と
うたいながら
泳いでいく

小さな金色の木の葉や
くさりかけた赤い実
青い鳥の羽などが
泳ぐ蛇のはもんにあわせて
つう、と
流れていく

すいすい、すいすい

蛇は唄う
すいすい、すいすい

水にうつる空は
深い色をした夕焼けで
遠くにいくほど金色にたゆんで
茜色から紫に
紫から群青にうつりかわり
ちかちかまたたく星たちが
蛇の波模様にあわせ
おどる

真珠色のまあるい月は
水のそこのほうまで光をさしこんで
ふかく静かに輝いている

おなかだけが赤い
銀色の鳥がきて
蛇のうたをしばらく聞いたあと
自分もうたいはじめる

つい、ついつい

すい、すいすい

蛇は2、3度まばたきして
それから嬉しそうに目をほそめ
すいすい、と
上機嫌に唄う

蛇の目はルビーのように赤く
鳥の目はサファイアのように青い

つい、ついつい
すい、すいすい

泳ぐたび、うたうたび、
水にうつった月が揺れ
蛇の銀色のうろこを
静かに光が流れて落ちる

すい、すい
つい、つい

ち、ちち
ちちち

森の鳥たちが
やがて、ともに
うたいはじめる
おずおずと
虫たちも
うたいはじめる

りいりい
すいすい
ついつい
ちちちちち

りいりい
すいすい・・・・・・

優しいこだまがかえるなか
蛇は上機嫌で
おどるように、泳ぎ続ける