やはらかな、さらさらした音が流れている
みあげれば、つめたい風にふかれて
月がころんからんと
鳴り響いている

あれをならしとうのは
だれじゃのな……

そう思いつつ
ひろったすずらんの花をふれば
ちいさな可愛らしい音で、
ころんからんと
なりひびく

すずらん、ころんからん
おつきさま、からんころん

冷たい風はひうひうなきながら
たくさんのものを
からから、ころころ、
ならしてさる

……

てるる、てるる、と
携帯電話が発光しながら
ふるえなる
はい、とでたら
あ、まあまちゃん?
げんき?
あっぷりぱい
やいたからなあ、
いまからとどけにいくわ
あんたなあ、すきじゃろ
あっぷりぱい

人違いです、と、伝えようとしたら
急に携帯電話が
でんちがないとさわいで
きれた

ありがとなあ……

藍色に光る金属体に
月明かりが反射する
あっぷりぱい……

メリークリスマス!!と
あからがおした酔っぱらいが
さきさんよいすぎ
ちょっと、と、あわてる青年に
支えられながら、とおりすぎる

あっぷりぱい……
コンビニに
うっていたら、かっていこうか

はちみつひたして、
凍らせたレモンのようなおつきさま、
からから、ころころ、なりひびく
ひとときつよくつめたい風が
すう、と
ふきすさんだ
手にあるすずらんが
また、やわらかな音をならした