月のしたで
よさどぽどぽという
しずかな、自作の躍りを踊っていたら
金のとりがとぼとぼとくるのです
ひどくしおれて
とぼとぼとくるのです

ぼくぁね、

金のとりはいうのです
ごかいなんてきらいさ。ぼくぁね。

そうして、疲れはてたように
私のとなりで眠りはじめました
すいよ、すいよ、と
とりのくちばしが
すこしあいて、またうごくのです
もにゃもにゃ……

よさどぽどぽ躍りは
きみょうにテンションをあげていき
クライマックスにさしかかります

躍りにむちゅうになりながら
わたしは
金のとりを
ふまないように
気を付ける

月はいい香りのする光を
森のひろばいっぱいに
満たしている……

よさ、どぼどぼん
よさ、どぽどぽん

それ、どんなのなの

ふいに、起きたのか
金のとりが
わたしの手足をみつめながら
声をかえてくる
わたしは
手足の集中をぬかないように
こたえました

よさどぽどぽ躍りというのです
月への歓喜のおどりです

月への歓喜?

あー、きれいだなぁ!
おどりたいじゃないですか
なんだか!むやみにも!
あんまり!つきが
きれいで
でも、さわぎたくない……

そうっと、わたしは
音や、さわがしさを
たてないように手足をゆらします

わたしは
きっと、変なのです
きもちが
居てもたってもいられない
でも町では
おどっていたら
きっと、変にいわれますから

だからここにいたんだね
ぼくぁね、ここ
ぼくだけの
秘密の場所にしてたんだ

あ、そうだったんですか

金のとりは
だまってそれを見つめてました
それからわたしのとなりにきて
自分も、なんだか
集中しながらも
しずかな動きで
おどりはじめました

よさどぽどぽ
よさどぽどぽ

つきがあんまりきれいでさあ
よさどぽどぽ

どぽんどどー

わたしは、はじめてできた
躍り仲間に
歓喜のなかまに
ほんとうに、うれしくて
すこし涙がにじんだものです

そうしていると
ふと、私たちをじっと見ている
あおい鹿や、つちのこ、きつね
象や、猿に
わたしは気がつきました

たくさんではないけれど
たしかに、何びきか、
木々に隠れるようにして
みつめています

風はすこし葉をゆらし
あたたかな香りがする

やがて、ひとり、ひとり
なんだか見よう見まねで
広場にでてきて
てんでばらばらに
集中しながら
しずかに、しずかに
うごき、おどりはじめました

そらも
私達も
夜明け前の月も
すみわたっていました