木の葉がちらちら落ちてきて
それがひかりに照らされ
やわらかないろをもって
湿った黒い地面に
ひっそりと吸い込まれている

何処からか
響くような音がして
それが、あまりに
おもく、おおきい

あおあおした夜に
黄色い半月が
ぷらりと
うかんでいる

胸のいたい子がおりますから
薬買わなきゃなりません

誰かが話している
とりとめない話
温かな思いで
丁寧にかわされている

南天を
沢山、買いましょう

ああ、よいですね
南天は、難を転じますから

赤く金色の
よいみを
買いましょう

ええ、他のかたにも
のこして
ふたつ

ええ、

次のとき
大きな黒い木上から
ましろい猿が二匹飛び出し
服を着ながら
人のように
町明かりのほうへ
飛びすさっていった

2011-12-29 13:10:40