空ほどの大きさをもつかたは
鱗しか見えません
龍のうろこのようですが
あまりに美しいですから
なにかそれひとつで
神なりと
間違えそうです

ゆうゆうと
はしりさられます

わたしたちは
ひとかけらの空を見て
昼と云います
夜といいます

きっと空のようなかたは
空ににていて
日にひかる昼と
影にすきとおる夜の
お身体なのでしょう

山ほどの大きさをもつかたは
爪の先しかみえません
そこに花のように
草木のように
ちいさな虫や命のように
光の欠片が
ふわふわ咲いて
たぶん、歩かれている
歩かれているたびに
光がゆれる

ゆっくりと
しかし、すざまじいはやさで
さられていきます

かぜがふいたようだね

天神さんはいわれます

あたたかな風だったね……