花の星
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小説
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2011
> りゃんりゃん
りゃんりゃん
おなかを下にして
よくあったまると
あたたかな花が
おなかの中に咲くようで、とても
心地がいいように思います
星空の上では
雲がいきかい
ちか ちか ちかと
またたいているようです
―― なにか
わからないものが
てもとにあって
断片的な とても
わからないもので
それを わかるために
ずっと ずっと
くるしんでいたように
おもう
―― いちど
おわり いちど はじまり
また おわり
また はじまる
―― いったい
あれから 何が変わったのか
なにも かわっていない
―― どうやら
あたたかな海の中
ほしぼしは
噂話を続けているようでした
―― くらげのように
こっそり
海の深いところに隠れ
ほしの光は
ちかちか瞬きながら
それを合図に
おはなしをします
―― かみさま
ふいに 私は祈るようでした
―― いつも いつも
わたしの こころ
みにくさを まえに
とても 痛い きもちに
なる
―― わからないまま 人をののしり
―― わからないまま 人に怒り
―― わからないまま 人を 嫌ってきた
―― わたしの 分からず屋
それがきらいで
それが きらいで
自惚れていやがる
―― いて座の方から
流れてくるのは
ちかんちかんとした
ひかひかにひかる
すこし、するどいような声
―― ゆ る せ と
―― 足りないのは何だったのでしょう
わたしはしっています
それは 許しだったんです
―― 愛
―― それは 許しだったんです
―― 閉じていた目をあけたら
なんだかあたたかな心持で
目を閉じている間に
時間はたってしまったようで
―― 胸の痛みはそのままでした
―― 何も変わらない
―― ただ、咲いただけ
―― 朝までつきは空に居たようでした
太陽がゆっくりのぼりながら
真白い星のまたたきが
うっすら
かげっていくのでした
Series :
短編
Tag:
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2011-10-20
21:47:59
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よくあったまると
あたたかな花が
おなかの中に咲くようで、とても
心地がいいように思います
星空の上では
雲がいきかい
ちか ちか ちかと
またたいているようです
―― なにか
わからないものが
てもとにあって
断片的な とても
わからないもので
それを わかるために
ずっと ずっと
くるしんでいたように
おもう
―― いちど
おわり いちど はじまり
また おわり
また はじまる
―― いったい
あれから 何が変わったのか
なにも かわっていない
―― どうやら
あたたかな海の中
ほしぼしは
噂話を続けているようでした
―― くらげのように
こっそり
海の深いところに隠れ
ほしの光は
ちかちか瞬きながら
それを合図に
おはなしをします
―― かみさま
ふいに 私は祈るようでした
―― いつも いつも
わたしの こころ
みにくさを まえに
とても 痛い きもちに
なる
―― わからないまま 人をののしり
―― わからないまま 人に怒り
―― わからないまま 人を 嫌ってきた
―― わたしの 分からず屋
それがきらいで
それが きらいで
自惚れていやがる
―― いて座の方から
流れてくるのは
ちかんちかんとした
ひかひかにひかる
すこし、するどいような声
―― ゆ る せ と
―― 足りないのは何だったのでしょう
わたしはしっています
それは 許しだったんです
―― 愛
―― それは 許しだったんです
―― 閉じていた目をあけたら
なんだかあたたかな心持で
目を閉じている間に
時間はたってしまったようで
―― 胸の痛みはそのままでした
―― 何も変わらない
―― ただ、咲いただけ
―― 朝までつきは空に居たようでした
太陽がゆっくりのぼりながら
真白い星のまたたきが
うっすら
かげっていくのでした