花の星
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小説
series:短編
2017
2017-06-08
19:09:55
海
赤い夕日にしずみます町を あるいていきますと 家々はすこしずつ減っていき やがて、野原にでました しかし足元に茶色い道はつづいていて その真ん中で 草笛をふいている 赤い赤い綺麗なかたが(……)
(695文字数)
2017-05-11
11:11:10
そのひと
そのひと …… 面白いとはなにか、を ふたりのたぬきが 真剣に話している どこからかとってきたのか 香りのよい紅茶と ケーキがそばにおいてある ひとりが つまりは、笑(……)
(719文字数)
2017-05-10
13:13:06
ソバ
なぁ、でも こんなことは 別にみんなちゃんと出来るんだよ…… マッギさんは 長いお話のあとに そういいます でも、教えようとすることを なくしたら 話せなくなる (……)
(1185文字数)
2017-05-10
11:31:52
ナンセンス
ナンセンスさんは 名前からしてナンセンスさんなのですが 柿さんがきらいといわれる それで先ほど、 柿さんと喧嘩したんですね ーーなぜ、君のことばは うけとりがたいか それは、君が嘘を(……)
(1056文字数)
2017-05-06
13:49:44
龍になる
犬の顔をした女がきて 芋をくれないかという そのかわり、面白いはなしをするから 庭でとってきたじゃがいも 蒸しとるあいだに 犬の女は、卓にすわって ひとつひとつ確かめるようにはなす(……)
(617文字数)
2017-02-21
11:52:03
月への歓喜
月のしたで よさどぽどぽという しずかな、自作の躍りを踊っていたら 金のとりがとぼとぼとくるのです ひどくしおれて とぼとぼとくるのです ぼくぁね、 金のとりはいうのです ごか(……)
(1161文字数)
2017-02-06
16:41:15
骸骨の花音頭
闇の花に足をつけた 底は水で 静かにしずんだ 空はあおぐらく 遠くが明るい 月が満月で ぼんやりとひかっていた ながしたなみだ てんてん、てくる ながしたくるしみ てんてん、てく(……)
(627文字数)
2017-02-06
10:58:27
歓喜
嫌悪の森をさ迷っていた子供が 怨みの石につまづいた それいらい、憤怒を抱えている まわりのものは そんなものは手放しなさいとか 幸せになりなさいとか 天の国にいけないとか のたまうが(……)
(608文字数)
2016
2016-12-23
21:41:34
くだらないこと
「馬鹿ですねぇ」っていうんですね なゆさんは 馬鹿ですねぇって その馬鹿ですねぇが 聞きたくて しょっちゅう訪れていってしまう おでん屋なんですけどね …… 老婆とロバが話(……)
(1460文字数)
2016-12-09
16:46:32
村のストーンヘンジ
柔らかな雪のうえにさうさうと 静かに白い雪がふりおり とけこむように つのっていく 静かな蛇がそのうえを しゃうしゃうと すべりゆきます ~~現実はことなりましょう…… ど(……)
(1002文字数)
2016-11-25
16:40:38
鬼と酒
静かに花が咲いておちていきます その音を聴きながら 鬼からもらったお酒をあたため 準備をしています 今日はたくさんのお客さんがいらっしゃる あと数時間もしないうちに この家はさまざまな(……)
(1020文字数)
2016-11-18
05:08:58
大きいさんと小さいさん
小さいさんはかたくなでありまして 『どこからでもかかってきなさい たー!』と 小さな棒をふりまわすのですが 目をつむっている 目をつむっているから 棒がむやみにふりまわるのです ふりまわ(……)
(699文字数)
2016-11-16
15:08:32
石の砂漠
微かな臭いが流れている 砂の上に一足おいて 男は鼻をならした 雨とはことなる ああ、ここらへんはきっと 砂の、においが 濃いんだろうな…… 石には臭いがあることを この間知った(……)
(1014文字数)
2013
2013-08-20
13:17:50
makima
まきまの生き方はパワーシャベルみたいだ 大きなシャベルのついている大きな車 まきまはいつも荒んでいる すさみながら なんでも、力強く片づけてしまう だけど、それは破壊をともなう : (……)
(886文字数)
2013-03-17
00:13:45
ハーモニカ
いつか、おまえに おしえたいはなし まだ明日、残る日 夜のおとが なんたかすこし、さびしくて 錆び付いた自転車をころがした 川原は月明かりにあやうく やさしげな金色のはな(……)
(1120文字数)
2013-02-26
20:35:19
うい
空には満天の星がながれ 明るい月がふかふかとういている 汚れた部屋をふたりでかたづけながら せきみやさんの 小さく咳き込む音を きいていた こんなときなのに なぜか、せきみやさんが (……)
(1094文字数)
2013-01-31
14:17:09
きっと綺麗な音がする
人に難癖つけたくなってさ なんだかんだ 説教したい時って たいていさ 自分に難癖あって うまくいかないときじゃない? そう言いながら、 きっこが口から たばこの煙をはいた ま(……)
(1385文字数)
2013-01-21
13:32:12
くものいろ
人の胸には ひとりひとり 空があって ひとりひとり 空の景色が ことなる どんな色の空で どんな色の雲なのだろう ――思い立って冷蔵庫をきれいにしようと 雑巾もってまわりをふ(……)
(756文字数)
2013-01-14
22:26:19
そういうの
たまに、ふ、とおもいだす もう顔も思い出せない人 むかしむかしのひと 先生だったかもしれない 「おまえは、おかちめんこで ぶきようだから 苦労するだろうなぁ……」 たとえば、刺繍(……)
(877文字数)
2013-01-01
18:39:17
コーヒー
空から雪がふっている 隣の料理教室はおおづめをむかえたらしい やわらかく作れたか スポンジケーキを すこしゆびでおしてみてね 先生らしきふとった女性が叫びながら 銀色の生クリームのおわんを(……)
(1052文字数)
2012
2012-12-29
11:36:14
あっぷりぱい
やはらかな、さらさらした音が流れている みあげれば、つめたい風にふかれて 月がころんからんと 鳴り響いている あれをならしとうのは だれじゃのな…… そう思いつつ ひろったすずら(……)
(640文字数)
2012-11-05
19:55:12
なさごのうた
あたたかな こえにのって なみだがながれる あたたかな やわらかな はなにのって なみだがながれる 曇りの日の花は ひみつですが 神様のおちからを ほんのわずかに ふくんでい(……)
(1222文字数)
2012-09-13
16:54:08
わたしのきらいなあなた
魚をさばいていたら 妙な手紙が出てきた 魚の血に染まって なまぐさくぬれた、和紙に 「わたしのきらいなあなた」と ていねいな筆跡で書かれていた そのうしろに「1」とかかれている どうも気(……)
(1092文字数)
2012-09-02
12:01:56
じいじ
じいじはたいして目立つ老人ではなく 喧嘩があれば逃げ、 お菓子があればよるような ふつうの老人だった だから死ぬときも特に目立つことはなく あ、しんどる、と 母さんが言った みたら白目む(……)
(1276文字数)
2012-09-01
08:00:00
赤いグミ
ふと、散歩までしようと 小銭入れを持ってサンダルをひっかけた 近所のコンビニで 醤油でも買おう 見上げたらいい月夜で きれいな霧雲がながれている どこの家の窓からか 小さなきれいな音(……)
(734文字数)
2012-08-31
14:14:35
竜
朱銀色の空に 小さな鳥がたくさんとんでいた 小さな翼を下に上にうごかすたんびに かれらの先頭がしょう、とないて つづいてみんなが しょう、しょうしょうしょう しょう、しょうしょうしょうとな(……)
(1195文字数)
2012-08-24
10:00:00
蛇の歌
ちいさな音を立てて 雨がぱらついている 金色の蛇が あめのたまった水の中を すいすい、すいすい、と うたいながら 泳いでいく 小さな金色の木の葉や くさりかけた赤い実 青い鳥の羽(……)
(686文字数)
2012-08-16
08:00:00
白い石
夏というのに 薄い氷の流れる川原で することもなく 小さな石をひろっては きらきら流れる川にぶつけてた 小さな傘をあたまにかぶった 小さな坊主がきて さうさうとした藁をさうさうとなら(……)
(963文字数)
2012-08-15
08:00:00
きつね
風が真珠色のように ひかっていると 小さい狐が思う 小さい狐は ちいさなてのひらにもった ふたつの木の葉をみつめて ばかさないとな、と考える ごさくをばかさないと そうすると ふ(……)
(993文字数)
2012-08-06
21:00:29
くらがりの実
まっくろな木々のなか 赤い実が風に揺られていました さうさうさう さうさうさうと 風がうたっていました 気がついたら手のひらには 勝手に歌う笛があって その笛が そうそうそう そ(……)
(880文字数)
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