霧雨

落日

夕陽の音を
きいたことが
きみはあるかい
あれはね
おおきなものだから
しずむ たびに
とてもひどい おおきなおとを
たてる
かなだいが たくさん
なりひびく そんな 音

そう、いう
そういえば そうだったっけ
そう 思う

川はいつしか海になり
あかいあかい
金色の夕陽が
ゆっくり ゆなゆうゆうと
うみべのあちらに
浮いている

白い舟
ただ ゆらり
ゆらり
すすむ

あなたが、笑う

ゆうひを
めざしても
とどきも
しない
けれど
ゆうひは
蜃気楼だろうか
いいえ ゆうひは
ゆうひ
ただ 夕陽

届かないほど遠く 遠く とどかないほど 遠く

海の中に
さかなが、たくさんいて
それがたまに
ぴしゃっと
はねる

私は面白がって
貴方にわらいかけ
あなたは、私に笑いかける

ふと、小さな島が流れてきて
その島の中に入る
そうすると
島にはたくさんの竹が生えていて
それが、あおとみどりの
ふかい色をして
竹の香りが、
水の音と共に
たちこめている

夕陽の金色
だいだいいろ
こゆる
ゆらぐ、なかに
竹のあお

空を見上げると
すこし、けむり
霧深い
その霧も、夕陽に
いろづいている
2012-01-10 15:51:52